そういうのだけで中途半端にSEOを学んだ人が、それと気がつかずにブラックハットSEO(不正なSEO)に手を染めてしまうことがあるんではないかなと。この記事で、そういう不幸な事故が減ったらいいなと思います。
はじめに - 検索エンジンの目的を肝に銘じよう
これだけ抑えておけばもう他のことは知らなくていい! とまでは言いませんが、一番大切なことです。それは、「検索エンジン」という製品が持っている価値のこと。検索エンジンがユーザーにもたらす価値といえば、「検索」という行為を通じてユーザーに有益な情報(Webページ)をスムーズに届けることです。そのために、検索エンジンを手がける各社は日々検索結果の向上に心を砕いておるのです。つまりは「検索結果の品質」こそサービスのコアな価値ですので、それを不正な手段で歪めようとする行為は彼らにしてみれば営業妨害のようなもの。何かしらの手段で一時だませたとしても、いつかは必ず手痛い報復に遭います。
SEO施策を考えるときは、「検索エンジンと協力してより良い情報をユーザーに届けられるようにする」という、道徳の教科にも載せられそうなホワイトな精神が最も重要なのであります。それってどうやったらいいの? という点はこの記事の趣旨から外れますので、まずはGoogle先生公式のドキュメント(検索エンジン最適化スタータガイド(Google公式) ※PDF)から読みはじめるのがよいでしょう。難しい対策に手をだすのは、このドキュメントがしっかり理解できてからにするべきです。
- 1.クローキング
- 2.キーワードスパム
- 3.コピペ(コンテンツの剽窃)
- 4.ワードサラダ
- 5.自演リンク
- 6.有料リンク購入
- 7.マルチポスト
- 8.過剰な相互リンク
- 9.ステルスマーケティング
- 10.炎上マーケティング
01. クローキング

ユーザーが見たときと、検索エンジンのロボットがやってきたときとで異なる画面を見せる手法です。最近ではあまり見かけなくなりましたが、画面外に小さな文字で文字列や単語、商品名が羅列されていたりしました。ああいうのですね。
あと、これはいまでもたまに見かけますが、img(画像)タグのalt属性にありったけのキーワードをぶち込んでいるもの。alt属性はテキスト読み上げソフトや、画像が表示できない環境でも表示されている内容が伝わるように存在するものですので、そうした使い方はSEO的にも、アクセサビリティ的にも当然アウト。悪意なくやっていそうなケースも見かけますので、気をつけましょう。
02. キーワードスパム

いまでもやっているサイトやブログをときどき見かけます。狙っているキーワードをとにかく羅列・連呼する手法です。同じ単語を10個も20個も使って文章が不自然になっているページを見たことはないでしょうか?
たまたま同じ語句が重なってしまうのは避けられませんが、不自然なレベルでそれが起きていると検索エンジンに怪しまれ、時としてペナルティの対象にされます。だいたい、そんな文章は読みにくいですよね。テキストを書くときはSEOを意識せず、検索エンジンの向こうにいる生身のユーザーに向けて書くのが一番です。
03. コピペ(コンテンツの剽窃)

アカデミックな世界だけではなく、SEOの世界でもコンテンツの剽窃は厳禁です。というか、普通に違法行為ですので。。。「コンテンツSEOとか言われてるし、サイトのコンテンツを増やさなきゃ。でも文章書くのは苦手だし……。そうだ、Wikipediaからコピペしちゃえ!」気持ちはわからないではありませんが、アウトです。
一部でも引用をする際は必ず引用箇所をblockquote(引用)タグで囲み、出典元を明示してください。基本的には、オリジナルのコンテンツを作っていかなければ検索エンジンに評価されることはありません。自分で書けないのなら、ライターに発注するなり、お客様から体験談を募集するなり、きちんとお金や手間をかけましょう。
外部に発注する際の注意としては、きちんとコピペ厳禁の旨を伝えることでしょうか。それでも、クラウドソーシング系のプラットフォームから極端な低単価で発注したりすると、けっこうな確率でコピペが紛れ込むらしいです。
04. ワードサラダ

「自分じゃ書けないし、お金もかけられないし……。そうだ、単語や文章をランダムに切り貼りしまくって、テキストを自動生成しちゃおう! 人間が読んでも意味不明だけど、検索エンジン用だからいいや!」
後述の自演リンクと合わせて一昔前に猛威を振るった手法ですが、いまでは簡単に検索エンジンに見破られるようになりました。現在でも自動文章作成ツールと称してこの手の商材が販売されていますが、金をドブに捨てるどころかペナルティを呼び込むだけの自爆ツールと化していますので、絶対に手を出してはいけません。
05. 自演リンク

「外部サイトからリンクがたくさん張られると検索順位が上がるらしいぞ。そうだ、それなら無料ブログで大量にブログを開設して、自分でリンクを張りまくろう! 内容なんて薄っぺらでいいや♪」
そういう価値の低いサイトから不自然なリンクが大量に集まると、Googleのペナルティが発動します。また、そういう意図で作られた無価値なサイトからのリンクをいくら集めたところで検索エンジンの評価は上がりません。もし、自分で外部サイトを作ってリンクを張りたいのであれば、きちんとユーザーにとって価値のあるサイトを作ってください。
06. 有料リンク購入

「ちゃんとしたサイトを作る予算なんてないしなあ…。お、5万円で100サイトからリンクが張られるサービスだって?! しかも審査制だから安心と。よーし、これなら買ってみよう」
もちろんNGです。リンクの売買行為は検索結果を故意に歪める行為としてGoogleから最近とくに目の敵にされており、中でも「ビジネスリスティング(ディレクトリ登録サービス)」と呼ばれるものは実名晒しつきでペナルティを課せられるケースが増えています。いまからこうしたサービスに申し込むのは、火事で焼け落ちかけている家に引っ越そうとするようなものなので、おすすめできません。
07. マルチポスト

「ディレクトリ登録サービスは目をつけられているからダメなのか。うーん、それならあちこちのコメント欄や掲示板にうちのサイトへのリンク付きテキストを投稿しまくっちゃおう!」
アウトだし、迷惑行為です。そんなことをしても炎上するのがオチです。しかも、たいていのコメント欄や掲示板ではリンクに「rel="nofollow"」という属性が与えられるようになっています。この属性は「リンク先に評価は渡しませんよ」という意味。つまり、いくらマルチポストをがんばっても外部からのリンク評価は得られないのです。
08. 過剰な相互リンク

古い個人ホームページやブログなどを見ると、よく友だちのサイトと相互リンクを行っていますが、あれを大規模にやるとアウトです。どれくらいから「過剰」なのか線引が難しいところではありますが、少なくとも自社サイトに訪問してくるユーザーにとって無価値であろうリンク先とは相互リンクをするべきではないでしょう。
極端な例を挙げるなら、ペットショップのサイトから、生命保険やエステサロンのアフィリエイトサイトへリンクが張られていたら、明らかに無意味だし不自然ですよね。