ネットワークエンジニアは、社内サーバーあるいはクラウドサーバーにシステムを構築するなどして、企業の基幹システムの重要な礎を築きます。
その後も、構築されたシステムが安定的に機能するように見守っていくという重要な仕事です。そんな縁の下の力持ちであるネットワークエンジニアについて、とくにフリーランスのネットワークエンジニアの仕事に注目し、仕事の探し方やどうすれば成功してくことができるのかについてご紹介していきたいと思います。
ネットワークエンジニアとは?
ネットワークエンジニアは、クライアントの業務における根幹となるシステムと、個々の端末に繋げるためのネットワークの詳細設計を行います。
コンピューターやサーバーをLAN(ローカルエリアネットワーク)に繋げるだけの閉鎖的なネットワークを構築する場合もありますが、一般的なのはLANだけでなくWAN(ワイド・エリア・ネットワーク)に繋げる環境を構築するケースでしょう。
そのため、セキュリティや各種OS、サーバーなどに関する幅広い知識が必要です。ネットワークを設計・構築した後も、監視・運用して維持管理を行っていく形で長期的な仕事としてかかわるのがネットワークエンジニアです。
フリーランスのネットワークエンジニアの仕事内容は?
ネットワークエンジニアの仕事は、大きく分けて設計業務、構築業務、監視業務の3つになります。フリーランスの場合は、この3つの分野を丸ごと請け負うこともあれば、それぞれ一部を請け負い、その他の部分は他の業者やクライアント側で行う場合もあります。
1設計業務
ネットワーク設計業務はクライアントのシステム要件に基づき、導入・運用コストを考えたうえで設計していきます。全体のパフォーマンスや機器類の相性なども考えてネットワークを構成します。トラフィックやセキュリティなども検討したうえで、ネットワーク機器・OS・管理ソフトを選定していきます。
最近ではオンプレミスのシステムよりも、マイクロソフトAzureやアマゾンAWSなどのクラウドサービス上にネットワーク設計をすることが増えてきています。
クラウドサービスの場合データセンターが複数拠点にあるため、ある地点が災害などでダメージを被ってもデータを失うことがないというメリットがあります。
また社内サーバーの場合、メンテナンスだけでなく突然の故障などで急な費用が発生することがありますが、クラウドサービスの場合は、定額費用で計上できるという点もメリットです。
回線速度やセキュリティも向上しているので、社内サーバーからクラウドサービス上のシステムへと置き換えていく企業も増えています。このようにクラウドと社内LANを繋ぐ部分においても、設計業務がネットワークエンジニアとしての重要な仕事になっていくことでしょう。
2構築業務
ネットワーク構築業務を簡単にたとえると、道路整備に似ています。道路整備は単に道路を作るだけでなく、交通ルールに基づき、一方通行や進入禁止といった交通標識を立てたり、信号機を作ったりして安全かつ渋滞しないようにします。
ネットワーク構築業務もそれと同じように、設計図面にしたがってネットワーク機器類を接続し、それをネットワークプロトコルにしたがって設定していくのです。
例えばクライアントの会社の同じ部署内での端末同士のみ通信を可能にし、他の部署の端末とは通信できないようにしたり、インターネット上で外部にアクセスできないように制限したりすることもできます。
Wi-Fiも含めて優先的に高速データ通信のできる端末と、制限してスローな通信しかできないような端末を設定し、トラフィック制限をすることもあります。
構築段階で設計が違っている場合などは設計図面の見直しをして、修正したものを保存することもあります。
3監視業務
ネットワーク監視業務は、設計にしたがって構築されたネットワークが、きちんと正常に動作しているかを監視する仕事です。基本的には管理ソフトと連携してログを取っているので、いつどのようなトラブルが起こったのかをたどることができるようになっています。
物理的な故障があるのか、トラフィックに過負荷がかかったのか、あるいはネットワークなどを狙った悪意のある攻撃にあっているのかなどをチェックし、システムが正常に動作するよう監視します。
24時間体制で監視することになるので、フリーランスネットワークエンジニア1人では難しい業務です。なので、チームを組んで業務を行う必要があります。
しかし、クラウドサービスや管理ソフトなどでは、トラブルがあればメールなどでアラートを送ってくれたりします。したがって、簡易な監視業務であればフリーランス個人として受けることもできる環境になってきました。
いずれにせよ、トラブル時には復旧に向けて作業をする必要があるので、問題点をすぐに見極める的確な判断力が不可欠な業務といえます。
フリーランスのネットワークエンジニアの年収は?
ここまででフリーランスのネットワークエンジニアには高度な知識やスキルが要求されるということをご理解いただけたと思います。では、それだけの仕事をこなすと、どれほどの報酬をもらえるのでしょうか。
■フリーランスのネットワークエンジニア案件の平均単価
フリーランスのネットワークエンジニアの場合、月額に換算すると60万円程度が相場になります。高単価な案件だと、150万円程度にもなり、一般的な会社員のネットワークエンジニアの給料と比較しても、かなりの高額な報酬になります。
実際、会社員の場合は会社の取り分がありますので、その分給料としての手取りはフリーランスより低くなります。フリーランスのネットワークエンジニアは、頑張れば頑張った分、高度なスキルと経験に見合った金額は十分に得られるといえるでしょう。
■フリーランスのネットワークエンジニアの平均年収
月額を単純に換算すると、年収として720万円から1,000万円を超えるほどになります。ただしフリーランスは年収がそのまま手取りになるわけではありません。そこから経費などを差し引いていく必要があります。
ネットワークエンジニアの場合、導入する機器類やケーブルなどは自分で仕入れてクライアントに納品し、それらを使ってネットワークを構築していくことが想定されます。
そのような場合は、卸値で仕入れることができれば、納入する機器類からも売上をあげることができます。その場合、報酬+機器類の売上-経費ということで、年収はもっと上がる可能性もあります。
ただし、年収が上がれば支払う税金や国民健康保険も上がっていくということも忘れないようにしましょう。
■フリーランスで働くデメリット
フリーランスのネットワークエンジニアとして仕事をしていくうえで難しい点といえば、自分の実力をどのように示すかという点にあるでしょう。
会社員のネットワークエンジニアであれば会社の看板を掲げていれば信用されることでも、フリーランスの場合は信頼されるまでに時間がかかるのがデメリットの1つです。
たいていシステムはクライアントごとに違いますし、予算規模も異なります。自分の知識や経験を別のクライアントに示すのは容易なことではありません。
以前の現場を見せるわけにはいきませんし、口頭であってもセキュリティの観点から詳細を教えられない部分が多いからです。
また、大規模な案件の場合、1人ですべての作業を完結するのは難しいので、チームを組んだり外注したりすることになりますが、その外注先がよい仕事をしてくれないと後の仕事に支障が出たり、責任問題につながることがあります。これもフリーランスならではのデメリットとなるでしょう。
フリーランスでネットワークエンジニアになるために必要なスキル・資格
フリーランスのネットワークエンジニアとして長期的に安定して仕事をしていくためには、必要なスキルを段階的に蓄積し、経験を積み重ねていく必要があります。
そのための目標として、資格取得を目指した勉強をしておくことをおすすめします。クライアントに実力を示す際にも、資格をもっていると有利でしょう。
■初級はネットワーク監視ができるようになること
ネットワークエンジニアとして、設計や構築業務に携わりたいという気持ちがあるかもしれませんが、初級エンジニアであれば、まずはネットワーク監視業務をしっかり行うことから始めましょう。
ネットワークを監視するためのツールを使いこなせるようになること、コマンドを覚えて的確に状況の確認ができるようになることはとても重要です。
ネットワークエンジニアはツールに表示されるリアルタイムの情報や、ログなどを分析して何が問題なのか原因を突きとめられる技術が必要ですが、経験を積めば積むほど正常な値なのかそうでないかを素早く判断できるようになります。
このスキルは実践の現場でもとても大切なスキルなので、しっかりと身につけましょう。
■中級・上級は資格や経験値を積み重ねること
中級ネットワークエンジニアは、パフォーマンスやメンテナンス、チューニングを視野に入れた、ネットワークの設計の仕方を学んでいくとよいでしょう。実践経験を積んでいる人のやり方を観察し学ぶことも重要です。
各種機器メーカーの技術情報などを読んでおくことをおすすめします。どのようにネットワークの負荷を分散するかなどを実証実験して開示しているところもありますので、そういった最新の動向や知識を取り入れるようにしましょう。
また、障害時の問題の切り分けをして問題点を見極め、より安全に解決する方法の確立などは、経験を積み重ねていくことが大切です。
上級者は、初級・中級で積み上げた経験のうえで、資格を取るための勉強をすることにより、体系的に幅広い知識を蓄えていくことができます。上級者に求められる視点は、安定したネットワークをどうすれば構築できるか、運用面でユーザーは使いやすいか、保守点検がしやすいか、トラブル時に対応しやすいかなどさまざまです。
このように上級エンジニアは、設計、構築、運用のすべてにおいて責任をもった視点が求められるので、それらを意識した経験を積み上げていくことが重要といえるでしょう。
■資格:シスコ技術者認定
ネットワークエンジニアの資格としてまず紹介したいのは、シスコ技術者認定です。
この資格は、世界最大規模のネットワーク機器会社が運営する認定制度です。「エントリー」・「アソシエイト」・「プロフェッショナル」・「エキスパート」・「アーキテクト」の階層でレベル認定試験があります。
これらのカテゴリーには、さらに細分化されているので、試験の概要をチェックして、自分に合ったものを受けていく必要があります。
すべての認定は、3年間の再認定期限がありますので、一度取得しても、期限内に再認定を受ける必要があります。
■資格:CCIE
Cisco Certified Internetwork Expert(CCIE)は、シスコのエキスパートレベルの認定試験で、難易度もかなり高いものです。さらに試験内容も細分化されています。
シスコ技術者認定のエキスパートは「CCDE」に加え、2020年2月24日開始の「CCIE Enterprise Infrastructure」・「CCIE Enterprise Wireless」・「CCIE Data Center」・「CCIE Security」・「CCIE Service Provider」・「CCIE Collaboration」に分かれています。それぞれ、コア試験とラボ試験に分かれています。
認定を受けるのに明確な前提条件はありませんが、例えば、「CCIE Enterprise Infrastructure」は、5年から7年のネットワークエンジニアとしてのハイレベルな仕事の経験や、設計・導入・運用・最適化の経験をもつことが推奨されています。
ネットワークエンジニアの将来性は?
ネットワークエンジニアの仕事は、新陳代謝のように古いものから新しいものへと技術が生まれ変わっていくのをサポートする仕事でもあります。
例えば、オンプレミスからクラウドに代わる、有線から無線に代わるというように、技術革新が進んでいる分野なので、それに合わせてより効率のよいもの、よりセキュリティの高いものに環境を変えていくことが求められています。そういった意味で、ネットワークエンジニアは将来性があるといえます。
また、使用頻度や使用環境にもよりますが、ネットワーク機器は3年から5年くらいで交換が必要になってきます。そのような定期的なリプレース案件でもネットワークエンジニアの需要が発生します。
他にも、クライアントの企業の物理的な移転や新拠点の構築案件もあります。このように、ネットワークエンジニアはさまざまな場面で必要とされる職種だといえます。
フリーランスのネットワークエンジニアで成功するには?
では将来性があるからといって、フリーランスであってもネットワークエンジニアならば必ず成功するのでしょうか。答えはNOです。たとえどんなにスキルと経験があっても、それだけでは成功することは難しいでしょう。
ここからはフリーランスとして成功するために、どんなことを意識すればよいかを解説していきたいと思います。
■資格取得などで成長すること
前述のCISCO(シスコ)の資格など、資格取得を意識しながら実務をこなし、成長していくというのが一つのポイントです。例えば実際の業務で配線してネットワークを組むのが難しい案件があったとします。
そのような場合、ネットワークエンジニアは、参考書を見ながら、実務で実践的に学んでいきましょう。
また機器メーカーの最新の技術情報などをチェックしたりして、押さえておくべきポイントや、今後の動向などを理解したうえで学習していくのもおすすめです。
このように、実際に仕事をしながら資格取得に向けた勉強をすすめることにより、より知識を記憶にとどめやすくなります。初級・中級の段階から、先を見越して成長していくという意識が成功へのカギです。
またCISCOの場合、一度認定を受ければそれでよいというのではなく、3年以内に再認定を受けなければなりません。また、認定試験の内容そのものも時代にマッチした内容へと変化していきます。
CISCOの資格取得や維持はあくまで手段の一つですが、このように常に高い向上心を保ち続けていれば、フリーランスでもネットワークエンジニアとして成功していくことができるでしょう。
■自身で「営業力」「交渉力」を身につける
さらにフリーランスのネットワークエンジニアとして成功するために欠かすことができないのは、「営業力」を身につけるということです。では、どうすればよい営業できるようになるのでしょうか。
一つはクライアントのニーズをよく知ることです。クライアントと話をするときには、ウォント(WANT)よりも、ニーズに対して訴求するほうが、成約しやすいです。なぜなら、一般的に営業の窓口になっている担当者はウォントを語ることが多いですが、最終的に資金を投入する経営陣はニーズがあるかどうかに注目するからです。
実際にあった事例をご紹介します。
とあるクライアントで「Wi-Fiの接続スピードが速いものを導入して欲しい」という担当者の希望(WANT)がありました。ところが話をよく聞いてみると、じつはIT管理者がWAN接続をセキュリティの関係で制限していたため、「既存のセキュリティ関連の設定を大きく変えることなく接続スピードの問題を解決したい」というニーズが見えてきました。
そこで、既存LANを使った改善提案ではなく、別回線のWi-Fiを導入することを提案したところ、後者の提案ですんなりと導入が決定されたのです。
このように、営業するときにはクライアントからの話からニーズをよく汲み取り、どうすれば最終的に依頼決定してもらえるかを考えて提案していくようにしましょう。
また、提案の際に選択肢が多すぎると決定に時間がかかりますので、多くとも3つくらいに絞り込むほうがいいでしょう。先方が成約したいと思う内容が含まれるように意識することも大切です。
なお、提案があまり具体的すぎると、相見積もりを取られた際に同業他社に提案内容を真似されることもあるので注意が必要です。
また目先の営業ばかりではなく、きちんと先方の担当者と普段からよいコミュニケーションをしておくと、後に機器類を一新し、リプレースをするタイミングでかかわらせてもらうという形で案件をもらえることもあるでしょう。
いずれにせよ、自分でないとできないような事柄を提案し、営業できるようになることが成功の秘訣です。
もう一つ身につけておきたいのは「交渉力」です。
例えば価格はクライアントの予算が決まっている場合は交渉の余地がないことがありますが、納品までの期間については交渉の余地があるかもしれません。その結果、タイムマネジメントで効率よく仕事をすることで、自分の利益を大きくすることができる可能性があります。
あるいは、クライアントの状況によっては、過去に多くの業者がかかわってきたことなどにより、無駄な経費を支払い続けている場合もあります。そのような無駄な部分を削り予算を生み出すことにより、提案する内容で成約してもらうように交渉できるかもしれません。
また、サーバーを導入すればサーバーのメンテナンス費用に加え、突然のクラッシュなどにより想定外の出費が発生する場合があります。最初に提示価格に難を示されたとしても、そのような状況をしっかり説明することで費用対効果を強調できれば、成約に導くこともできるでしょう。
このような営業力や交渉力は経験を積みながら得ていくものとなりますが、これらの力に磨きをかけていけるかどうかは、フリーランスのネットワークエンジニアが成功に大きく影響するでしょう。
■勝手な判断で対応しないこと
すでに現場での作業を経験しているエンジニアにとっては当たり前のことかもしれませんが、フリーランスのネットワークエンジニアは、クライアントの環境で勝手な判断で処理したり対応したりしないということが大切です。
またクライアントの許可を受ける際にも、その相手が単なる現場担当者なのか、正式な窓口責任者なのかをきちんと確認し、誰の指示で動くかということをいつも意識する必要があります。
指示書、作業報告書、完了確認書などを準備しておき、必ず正式な窓口責任者にサインをしてもらうなどしておくと後々のトラブルを回避できるでしょう。
また先方の環境の中では、許可なく実験的にテストをしたりしないように気をつけなければなりません。もちろんすでにネットワークエンジニアとしてのキャリアを積んでいるならこのようなことはしないと思いますが、これらの注意は自分だけでなく一緒に作業するチームにも徹底しておく必要があります。
少しなら・・・・・・という思いからケーブルを繋ぎ変えてしまったり、機器類を入れ替えたりということがないとも言い切れません。実際には、VLANのように隣のポートでは異なるIPアドレスを使っているということもあります。
戻し忘れたり、他のスタッフに伝わっていなかったりということが、トラブルのもとになるということもあるかもしれません。
常にリスクを意識して、トラブルにつながるようなことは事前に回避するように気をつけていくことが、長い目で見たときの成功にもつながっていくでしょう。
■ビジネスパーソンとしての振る舞い
ビジネスパーソンとしてきちんとした振る舞いをすることは、フリーランスのネットワークエンジニアにとっても重要なことです。とくに誠実さや信頼性といった人間性の部分をしっかりと身につけている人が、最終的に成功につながっていきます。
メールや電話の応対の仕方や、時間に遅れないことなど、基本的なビジネスパーソンに求められることは当然身につけておく必要があります。
メールや電話の応対では、5W1Hの入った、整った表現を用いるようにいたしましょう。
遅刻はとくに信頼を大きく損なう要素になりますので、スケジュール管理をしっかりと行うようにしましょう。それでも現場をいくつか掛け持ちしている場合などでは、前の現場の作業が長引いたり、交通渋滞に巻き込まれたりとして、遅刻するということもあるかもしれません。
やむを得ない場合は、クライアントに状況を伝えて、しっかりと謝罪するようにしましょう。また、そもそもそのような場面を作らないように、余裕のある予定を立てるようにしておきたいものです。
さらには服装や身だしなみといった外見力にも人となりが表れます。TPOをわきまえた格好を意識しましょう。商談の際はきちんとしたスーツで訪問し、作業をするときなどはクライアントのオフィスにふさわしい格好をするとよいでしょう。
高額案件を扱えるようになるためにも、名刺や図面、契約や確認書類なども体裁のよいものを準備しておきましょう。印鑑もよいものを用意し、朱肉なども忘れずに整えておくのもおすすめです。
契約書類を交わすときは割り印の場所を確認しておき、印紙類もあらかじめ準備しておきましょう。このような細かい点にもしっかりと気を配り、社会人として軽んじられることがないようにしておくことが大切です。
フリーランスでネットワークエンジニアの仕事の探し方は?
フリーランスのネットワークエンジニアとして、どのように仕事を探していけばよいでしょうか。おそらくネットワークエンジニアの場合、他のフリーランスとは異なり、独立するまでに協業していることがほとんどだと思います。
とくに構築の部分では人手が必要な場合もあるので、そこで交友関係を広げておき、別の案件の際も声をかけてもらえるよう横のつながりを作っておくことが大切です。
逆に自分が受注した案件の際には、別のフリーランスネットワークエンジニアに協力をお願いするという具合に、持ちつ持たれつの関係を築いておくと、それほど仕事にありつけないということはないかもしれません。
そのほかにも、フリーランスでネットワークエンジニアの仕事が安定するまではマッチングサイトなどに登録したり、フリーランス専門の仕事(案件)紹介エージェントに登録したりするとよいでしょう。
また前述のように、リプレース案件には目を光らせておきましょう。早い段階から担当者と連絡を取り、必要な条件などを聞き出しておくことは大切です。実際に交渉が始まり概算見積もりを出す段階では、なるべく短期間でやり取りをしていくようにしましょう。
見積もりを出すと、他の業者に相見積もりを出す場合もあります。そうなると、別の業者も必死で成約するために力を注いできますので、わずかな条件差で先方の業者に案件を取られてしまうということがないように、スピード感と丁寧さで対応します。
このように、フリーランスのネットワークエンジニアとして、仕事のつながりというネットワークを構築にも力を注ぐことは重要です。そのような地道な努力が多くの仕事獲得につながりますし、そこで得られた経験がまた次のよい仕事につながっていくからです。
フリーランスのネットワークエンジニアとして個人でスキルの向上を目指すと同時に、クライアントや一緒に働くチームと共に成長するという謙虚な姿勢をもっておくことが大切です
ますます飛躍して成長を続けるネットワークの分野をこれから担う世代として、ここまで解説してきた注意点などを一つ一つ自分の状況に当てはめるようにしてみてください。きっとそこから、フリーランスネットワークエンジニアとしての手ごたえをつかむことができるでしょう。
この記事を書いた人
プロフィール
執筆者プロフィール:ウェブクリエイター 代表 江藤 義也(えとう よしや)
1971年生まれ。2002年10月よりウェブクリエイターとして、ウェブ制作、基幹システムやECサイト、各種業務システムの設計・開発・導入などを担当。プロジェクトマネージャーとして、多くのプロジェクトを担当。2010年7月に、フィルタリング推進機関に登録され、総務省主催の、インターネット利用の安心安全の分野の講演活動を取り組む。2019年に、ネット広告の方法に関する特許取得。ITコンサルタントして、中小企業の経営改革やシステム開発を手がけている。