インターネット産業の成長によってPCと技術さえあれば個人で完結できる仕事が増え、ソーシャルメディアやクラウドワーキングサービスの普及は営業コストを激減させました。コミュニケーションツールの発達は距離によるハンディも無くしつつあります。
また、バブル崩壊以降数十年に渡る不景気により終身雇用の幻想が消え、ひとつの会社に忠誠を尽くすよりも複数の仕事に収入源を分散させた方がリスクを減らせるという考え方も広まっています。大企業に就職したところで一生安泰でいられるはずがないという感覚は、30歳くらいまでの方であれば共通認識ではないでしょうか。
そんな時代ですから、フリーランスという生き方を選ぶ人はこれから確実に増えていくでしょう。ここでは、そんなフリーランス志望の人や、フリーランスになったばかりの方に向けて参考にしていただける記事を紹介していきます。
目次
・独立準備・退職・独立時の手続き
・知っておきたい法律や税金の知識
・独立直後の営業方法
・業務効率化ツール
・まとめ
独立準備・退職
思いついた日に即辞表提出! では博打と変わりがありません。フリーランスになってすぐ収入があるとは限らないもの。独立の準備に必要なことや、退職時に注意したいことについて述べた記事を紹介します。http://fladdict.net/blog/2014/11/syain.html
ある経営者が自社の社員に向けて書いた記事です。この記事で挙げられている11箇条はまさに金言。額に入れて飾っておくべきです。
1: 収入の一定パーセントを貯蓄しなさい
2: 生活資金を半年分ためなさい
3: キャッシュフローの重要性を学びなさい
4: 目先のお金で仕事をしてはいけません
5: 仮説、利点、欠点、リターン、リスクを説明できるようになりなさい
6: 伝説やサクセスストーリーを真似てはいけません
7: 作品と商品がイコールでないことを学びなさい
8: クライアントとユーザーの世界観で考えなさい
9: モチベーションの維持の仕方を学びなさい
10: 賞味期限の長いスキルに投資しなさい
11: コミュニティに貢献しなさい
http://next.rikunabi.com/04/enman_taishoku/enman_taishoku.html
いざ資金がたまり、覚悟が決まったらいよいよ退職に向けた準備です。前職との関係が良好であれば、発注や顧客の紹介を受けられるかもしれません。立つ鳥跡を濁さずの精神できれいに去りましょう。「退職時に鬱憤を晴らしてやろう!」なんて1円にもならない考えは捨ててくださいね。
http://www.bizocean.jp/doc/category/938/
退職届のテンプレート集です。縦書き、横書きなどさまざまな書式が用意されているので、自社に合ったものを選んで使いましょう。ちなみに「退職届」と「退職願」は異なるもので、「届」であれば会社は拒否できませんが、「願」の場合は会社の承認を得る必要があるので注意しましょう。
独立時の手続き
独立時に必要な手続きをまとめました。http://allabout.co.jp/gm/gc/313669/
まず、会社化して法人として営業をするのか、個人事業主としてやっていくのかによって必要な手続きは異なります。それぞれのメリット・デメリットを把握して、自分にあった方を選択しましょう。
http://inqup.com/10things-to-prepare
法人にするならこの記事をチェックしましょう。必要な項目を網羅しています。細かくて面倒だな、という場合には、代行サービスを利用するのも一手です。税理士の営業目的と思われますが、実費のみ・代行手数料無料で引き受けてくれる業者もあるようです。
http://ushigyu.net/2012/08/12/procedures_to_begin_a_one-man_business/
開業届けを出さなくてもフリーランスとしての活動はできます。しかし、節税ができたり屋号で銀行口座を作れたりといったメリットがあるため、多少面倒でも開業手続きは出しておくことを強くおすすめします。
知っておきたい法律・契約・税金の知識
会社勤めのころは会社に任せられた契約や税金まわりのことも、独立したら一人で済ませなければなりません。訴訟に巻き込まれたり、追徴課税を受けたりすると、時間や経済的ダメージはもちろんのこと、それ以上に精神的ダメージが大きいです。苦手意識を捨てて、丁寧にチェックしていきましょう。https://www.tokyo-cci.or.jp/entre/
一例として東京商工会議所を挙げましたが、他にも多くの自治体が創業・起業支援の窓口を置いています。法律や税金関係のミスは痛手になるため、独立前に公的機関で相談をしておき、弁護士や税理士・会計士とつながりを持っておくとよいでしょう。多くの場合、無料で相談が可能です。
http://keiei.freee.co.jp/2014/07/02/freeelance-contract/
契約書を結ばなかったばっかりに、支払いを踏み倒されてしまったり、不利な条件を延々と飲まされ続けてしまったりといったトラブルは後を絶ちません。必要となりそうな契約書の雛形は手元に用意しておきましょう。
http://webmemo.biz/kokumin-nenkin-kenkohoken/
2014年に独立をされた方が実際に戸惑った点について詳しく書かれています。会社勤めのころは総務や人事が対応してくれていた国民年金や国民健康保険の手続きも、独立をしたら自分でやらなければいけません。ややこしそうだと放っておいたらいつの間にか未納になっていた…なんてことがないよう注意しましょう。
http://www.bengo4.com/topics/1858/
個人で動いているとどうしても大きな企業に対して立場が弱くなってしまいます。日頃からやたらに法律論を振りかざす必要はありませんが、万が一身を守らなければいけないときのためにこうした法律は押さえておきたいですね。
http://keiei.freee.co.jp/2014/06/25/account-title-dictionary/
簿記の有資格者でも迷いがちな勘定科目について詳しく説明をした記事です。これを読んでも判断できない場合は、税理士や自治体の税務課で相談をするとよいでしょう。
http://time.levtech.jp/article/a-taxreturn/
気をつけておきたい税金関係のミスやトラブル事例です。ついやってしまいがちなこともあるので、一度目を通しておくとよいでしょう。
独立直後の営業
独立直後にぶち当たる最初の壁といえば営業ではないでしょうか。独立を経験された方の多くが、それまでどれだけ組織の看板に助けられていたか痛感します。名前も知らない独立したばかりの個人や法人に発注をしてくれる奇特な会社はなかなか存在しないのが現実です。そのため、初期の営業は「あなたを個人として」信頼してくれている人がターゲットとなります。前職の取引先や、友人・知人の繋がりが大きな価値を発揮するでしょう。まずは、FacebookやTwitter、ブログなどで独立したことを周囲に知らせることを手はじめに、以下のようなことを試してみましょう。
http://smmlab.jp/?p=28438
会社でも屋号でも個人でも、名義はなんでも結構ですのでFacebookページを作りましょう。通常の投稿で独立宣言をしても、知らせたい友だちのウォールに表示されないかもしれません。しかし、Facebookページは「招待(いいね!リクエスト)」が可能なため、ただ投稿するよりも確実に独立したことを伝えられます。
https://8card.net/
名刺管理ツールの「Eight」に名刺交換した相手の名刺データを取り込むと、相手にお知らせを送ることができます。よく名刺交換相手にメルマガを送る営業手法がありますが、売り込み臭がして嫌がられる可能性もある諸刃の刃。Eightであれば、機械的にシンプルな通知を送るため、ネガティブな影響を最低限に抑えられるでしょう。
ちなみに、そもそも名刺交換なんてあまりしたことがないという方は、(印象を良くする正しい名刺交換のマナー)をまずは学んでおきましょう。
http://agency-star.com/
人脈に頼らず営業する場合はどうするか。タウンページを開いて片っ端から電話をかける……のでは非効率極まりありません。受注確率が低く、罵倒やガチャ切りの嵐で精神をすり減らすのがオチです。もしあなたがエンジニアやWebデザイナーでしたら、ぜひAKKODiSフリーランスで参加したいプロジェクトをお探しください。
ちなみに、常にホットなのがPHPの求人とJavaの求人、サーバーエンジニア、ネットワークエンジニア、Webデザイナー、フロントエンジニアあたりです。Rubyの求人は各社のニーズが急速に高まってきました。習得者が少なく、希少価値が高いので、高単価を得やすい状況となっています。
http://wakarukoto.com/?p=9191
流行りのクラウドソーシングサービスを使用するのも一手です。低単価な案件ばかりというマイナスイメージが広まってしまっていますが、特定のクライアントと長く付き合って信頼関係ができれば、単価を上げていくことも十分に可能です。クラウドソーシングの案件が低単価なのは、コストを抑えたいという思惑以上に、信頼関係の築けていない相手に大金は支払えないという心理が働いています。
http://afi8.com/
フリーランスは繁閑の差が激しい仕事スタイルです。不定期に空いた時間が発生しますので、アフィリエイトのような細切れ時間でコツコツ積み上げられる副収入源を持っていると理想的です。上記のサイトは、専業のスーパーアフィリエイターがアフィリエイトの基礎から応用までを丁寧に解説をしており、非常に参考になります。
https://q-link.jp/
現代の営業活動において、インターネットを通じた集客活動は欠かせないものです。しかし、ネット集客を効果的に進めるためにはHPやブログを作るだけでは足りません。SEO(検索エンジン最適化)やリスティングなど、Webマーケテイングに関する広範な知識・ノウハウが必要とされます。それらを自分でゼロから学ぶのは非常に困難ですが、Webマーケティング専門のQ&Aサイト「Q-LINK」に質問すれば、専門家から適切な回答を得られます。
業務効率化ツール
フリーランスになると、本業以外の雑務もすべて自分で行わなければいけません。時間は最も重要な資本です。ここでは、時間の節約を助ける業務効率化ツールを紹介します。https://the-board.jp/
請求書や見積書の発行を助けてくれるクラウド型業務システムです。請求書の発行は重要な業務なのですが、エクセルのテンプレートと格闘するのは正直言って面倒なもの。そうした作業はこうしたサービスを使ってなるべく効率化し、売上を伸ばす業務に集中できるようにしましょう。
https://gyazo.com/ja
ちょっとキャプチャを送りたいという場面は多々ありますが、いちいちスクリーンショットを撮ってエクセルやパワーポイントに貼り付けるのは意外と手間がかかるもの。Gyazoを使えば、キャプチャをカンタンに共有できます。有料版にアップグレードすると、テキストや図形を書き加えることができます。
https://cacoo.com/lang/ja/
ブラウザ上でワイヤーフレームやフローチャートなどを書いて共有できるサービスです。エクセルで作ったワイヤーフレームは重かったり、環境によって表示崩れを起こしたりと問題を起こしやすいですが、Cacooならそうした心配は無用です。
http://www.chatwork.com/ja/
メールのやり取りは件名を考えたり、挨拶を入れたりと案外面倒なもの。過去のやり取りを遡るのも大変です。チャットワークのようなチャットツールを使えば、そうした煩わしさから解放され、スムーズなコミュニケーションができます。
なお、ここで紹介した以外にもおすすめの業務効率化ツールはたくさんあります。他の記事でもまとめて紹介しているので、よろしければ参考にしてください。
- 全部無料!仕事の効率化が進むありがたすぎるiPhoneアプリ7選
- 仕事の効率化につながる海外発のWebサービス5つ
- 作業効率をアップするためにフリーランスが買っておくべき4つのアイテム
- これだけは覚えよう!Windowsの作業効率を上げる便利な8つのショートカットキー
最後に
独立をしてみると、会社に属していたときにどれだけ多くの人たちに助けられていたのか痛感することでしょう。本業以外の雑務は想像以上に多く、時間が取られるものです。自由になるために独立したのに、会社勤めの頃よりも労働時間が増える人が少なくありません。しかし、忙しくとも、努力がそのまま自分の稼ぎになるので苦にはならないでしょう。また、社内政治で余計な気を使ったり、嫌な上司に媚を売ったりといったストレスもありません。精神的にフリーになれる点こそが、フリーランスという生き方の最大の魅力かもしれませんね。