ネットワークを介さないクローズドアプリ
ネット上のウェブサーバーで際限なく機能を拡張できるWebアプリと異なり、1つの端末で完結しネットワークをネイティブアプリは必要としません。そのためネイティブアプリの性能は純粋にその端末の処理速度に左右され、機能拡張が不可能となっているのです。ただし、その融通の効かないクローズドな仕組みこそが、ネイティブアプリにWebアプリに無いメリットを負荷することに繋がっています。そもそもネット上のWebサーバーと繋がることは情報端末側でも非常にリスクの高いことであり、機能拡張と同時に大きなリスクを抱え込むことになるという見方もできるのです。Webアプリという新しいアプリケーションの形態が登場したことによって、ネイティブアプリに新たな可能性が見出されたことになります。
セキュリティの向上
ネットワークに繋げる必要が無い、クローズドなネイティブアプリの最大のメリットはセキュリティの安全性を向上することです。パソコンの時代から演算処理端末の天敵といえるウィルスプログラムの被害が深刻になったのはインターネットに繋げるようになったからであり、情報端末にセキュリティが必要になったのもそのためだと断言できます。それはインターネットに繋げなければ動作しないWebアプリでも同様であり、Webアプリを使い続ける限り、常にインターネットからの脅威に対処しなければならないのです。しかし、情報端末からインターネットを完全に切り離せば、インターネットからの脅威など完全にシャットアウトすることは簡単であり、後はネイティブアプリだけを使用していれば、現状でも最高水準のセキュリティを確保したことになります。インターネットに繋げない、かつてのパソコンの形態に戻すことで、ありとあらゆるネット上の脅威を無効化にできるからこそ、今ネイティブアプリの重要性が再認識されるようになっているのです。
端末自体の可能性を追求
また、ネイティブアプリはWebサーバーの恩恵を受けられないために、純粋に端末自体の処理機能のみで動作する必要があります。しかし、だからこそネイティブアプリは対象となる情報端末をさらに限定することで、その情報端末自体の性能を十二分に発揮させるオーダーメイドなネイティブアプリを作り上げることも可能と言えるのです。Webアプリの場合、情報端末にインストールしたソフトウェアをいかに工夫してもWebサーバーの性能を発揮させることには繋がりません。端末の処理速度に左右されるネイティブアプリだからこそ、情報端末の可能性を極限まで追求することができるのです。